義経千本桜【初段・二段目】

歌舞伎の勉強

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歌舞伎はやっぱり予習の上で見たいゾ( ̄ー ̄)エヘン!

義経千本桜【初段】

(大序・院の御所の場)

屋島の戦いで平家が大敗を喫した後のことだ。
後白河院の御所に参内し、合戦の様子を物語る源義経(みなもとのよしつね)。

義経には褒美として「初音の鼓」が与えられる。これ、実は義経が欲しがっていた鼓。霊力のある狐の皮で作られていて、雨乞いに絶大な威力を発揮するという。これ使って戦のときに天気を自由にあやつれたら有利だろう・・・と、根っからの軍人義経。

鼓をもらえたのは嬉しいのだけど、ここで左大将藤原朝方(ふじわらのともかた)←悪いヤツが言う。「これは兄頼朝を討てという院宣だ」と。鼓の革を頼朝になぞらえ、「打つ」と「討つ」を掛けていると言うのだけれど、院は既に退席していて、つまりは朝方のでっち上げ。
義経は困惑するが、最終的には「この鼓は打たなければ(討たなければ)よい」と、初音の鼓を拝領する。ちょっと嫌な予感(*_*;

(北嵯峨庵室の場)

北嵯峨に尼がひとり住む草庵がある。
平維盛(たいらのこれもり)の奥方若葉の内侍(わかばのないし)は、息子の六代君(ろくだいぎみ)と共にここに隠れ住んでいる。内侍は夫維盛は既にこの世に無きものと思っていた。

そこに、見回りの徒歩(あるき)←巡回監視員?がやって来る。最近この辺りも風紀が悪くて隠れ売春とかあるそうだから・・・と。主の尼が、てきとうに追い返す。

さらに、用もないのに今度は「菅笠(すげがさ)売り」がやって来る。
この笠売りが実は家来の主馬の小金吾(しゅめの こきんご)だった。維盛さまが生きているらしい。熊野にいるようだから、六代君を連れて行って会わせてあげましょうと言う。
一緒に行きたい!・・・喜ぶ若葉の内侍。

・・・・・。

と、そこに内侍を捕えようと追っ手がやってくる。
実は先の徒歩(あるき)が、藤原朝方の手先だった。

なんとか隠れ、小金吾が一芝居打つ。まんまと騙され出て行く追っ手たち。
残った奴らを小金吾がやっつけ、二人は小金吾と共に熊野へ向かう・・・。

(堀川御所の場)

義経の京の住い堀川御所。
この日は宴が開かれ、元気のない義経と正室の卿の君(きょうのきみ)を励まそうと、義経の愛妾である静御前(しずかごぜん)が舞を舞ったり・・・。静御前と卿の君は正妻と愛人なのだけれど仲良し。この時代は・・・そうなのかね(。´・ω・)?

院の御所で藤原朝方に悪態をついた弁慶は、義経に叱られて謹慎処分・・・だったのだけれど、卿の君と静御前のとりなしで許された。

そこに、良くない報せが入る。
義経を攻めるため、鎌倉から土佐坊昌俊(とさのぼうしょうしゅん)と海野太郎行長(うんのたろうゆきなが)が上洛した。五条に逗留中だと言う。

同時に、頼朝の遣いで川越太郎(かわごえたろう)が義経の館にやって来た。

頼朝の命令で、三つの不審な点を直接義経に確認しに来たらしい。

一つ。
鎌倉に届けられた平家の武将(知盛、維盛、教経)の首がニセモノだったこと。
実はこれはその通りで、義経は彼らが生きていると知りながら「死んだ」と嘘を言っちゃってる。しかも知盛と教経は平家の中心的な総大将で、維盛もとても人望があり慕う者の多い重要な武将。そりゃ頼朝・・・怒るって。

(義経):今は源氏の世になったが平家の残党もまだ多い。影響力のある三人が生きているとなれば、平家を勢い付かせてしまう恐れもあるから、表向きは「死んだ」と言っておく方がいいのだ。今、部下の伊勢三郎や片岡八郎なんかを休暇と偽って諸国に派遣して探させているから大丈夫。

二つ。
頼朝を討てとの意を込めた初音の鼓を後白河院より受け取ったこと。
藤原朝方が裏でわざわざチクってますから((-_-メ)

(義経):院宣に背くわけには行かぬから受け取ったが、打つ気はないし触れてもいない。

平伏して感心する川越太郎。
ここまでは、良かったのだが・・・。

最期の三つ目。
敵である平時忠(たいらのときただ)の娘卿の君を妻としたこと。敵側の娘を嫁にするとは、源氏に反旗を翻すつもりだろう・・・と。確かにこれは、どう考えても褒められた話じゃないよなぁ。

ところが、実は卿の君はこの川越太郎の娘。で、平時忠の養女になっていただけだから、義経としては特にやましいことでもないのだけど・・・。

(義経):平家の女を妻にすることが咎められるというのなら頼朝の舅北条時政も平氏。まして卿の君はあなた(川越太郎)の娘であり、それを時忠が養女に貰い受けただけではないか。義経的には、当然そうだろう!

でも、疑心暗鬼の頼朝にそんな話をしたらどうなるか。
逆に「義経が娘の旦那だから庇うんだろう!」と川越太郎が疑われかねない。
仕方なく(?)、腹を切ろうとする川越太郎。そして、それを止めて、卿の君が・・・自害してしまう。ちょっと酷い言い方だけど、確かに卿の君が死んでしまえば問題は解決なんだよなぁ。

だが・・・。

そこに土佐坊一味が攻め込んでくる。
相手は兄頼朝の家来。戦えば・・・「やはりヤル気だなっ!」となってしまうから「怪我させないよう追い払え」と義経は命令するのだが・・・、それより早く、弁慶が大暴れを始めてしまう。そして海野太郎を殺してしまう弁慶。

もう・・・ダメだ(>_<)

本格的な戦だけは避けようと、逃げることにする義経。卿の君の死は意味なくなって・・・(T_T)

意気揚々と帰還する弁慶。自分がしでかしたことの重大さに気づいていない。
取り敢えず義経の後を追って行く。

義経千本桜【二段目】

(伏見稲荷の場)

伏見稲荷。
義経にようやく追いついた静御前が、自分もともに連れて行って欲しいと願い出る。多武峰の寺に行く義経一行は、女を連れては行けぬと、静の願いは却下。

そして弁慶も追い付き現れる。
まったく何てことしでかしてくれるんだ!・・・義経は扇で弁慶を散々に殴り、手討ちにしてくれると怒る。自分の過ちにやっと気づいた弁慶。気づきはしたが、だからといって主君の命を狙う者をそのまま捨ておけようかと涙を流し、静も弁慶を許すよう口添えして、今回ばかりは・・・許す義経。

しかし静の同行は許されず・・・。
義経一行は多武峰に向うのはやめ、摂津大物浦より船に乗って九州へ向うことにした。でもやっぱり船が難破したりとか危ないから、結局女は供に出来ないという。それでも、泣きながら食い下がる静。義経は、次に会うまでの形見にせよと初音の鼓を静に与える。

それでも静は義経にすがりつくので、仕方なく鼓の調べ緒で近くの枯れ木に静と鼓を縛りつける。
これは、優しさ?・・・結構ひどい仕打ちにも見えるが。

出発前に伏見稲荷に参詣しようと境内に入る一行。

ここに、討手逸見藤太(はやみのとうた)がやって来る。

ふと見ると・・・。
縛られた美女・・・しかも義経の愛人静御前だ。初音の鼓まで。
よっしゃ!喜ぶ逸見藤太。

だけど、世の中そんなに甘くない。どこからともなく屈強な兄さんが現れ、一行を追い散らす。母の病で出羽(秋田)に里帰りしていた佐藤四郎兵衛忠信(さとうのしろうびょうえただのぶ)だ。彼はものすごく頼れる義経の家臣。

静は大喜び、戻ってきた義経も喜んで忠信を褒め、そして静を守った褒美として、自分の鎧を与える。
更に自分の名「源九郎」も与え、今後は「源九郎義経」を名乗り、自分の代わりに静を守れと。

・・・・・。

別れを惜しむ義経と静。

義経退場。

悲しむ静。
そして、泣く泣く花道を退場していく静。

残った忠信が、最後に退場する。その動きはちょっと独特で・・・。
狐六方というらしい。狐?・・・六方・・・。

(渡海屋・大物浦の場)

摂津大物浦の廻船業渡海屋。

宿に逗留中の僧が、風待ちで暇だから町で一杯飲んでくると言って座敷を横切る。寝ているお安ちゃんをまたごうとしたその時、急に足がしびれて転んでしまう。

(僧):小さくてもおなご、男にまたがれるのが嫌で自分の足をつらせたのだろう。

と言ってそのまま出かけるが。
何かに気付いた様子のその僧は・・・弁慶。

・・・・・。

渡海屋に、鎌倉から相模五郎(さがみごろう)がやって来た。相模五郎は義経を追うため、自分たちを優先して船に乗せろと言う(先約があるのに)。主の渡海屋銀平が留守で、女房のお柳(おりゅう)が断ろうとするが、相模五郎は横柄な態度でオレたちを先に乗せろと迫り、先約の者と直接話をつけてやると奥へ踏み込もうとする。
そこへ戻った銀平。尚も無理をいう相模を力ずくで追い払った。

先約の客とは、実は九州に落ちて行こうとする義経一行。義経は兄頼朝に追われる己が身の上を嘆くが、銀平は義経に味方すると言い、今の相模が再び来てはいけないから、一刻も早く用意した船で出発するように勧める。義経たちはその言葉に従い、蓑笠を着て渡海屋から立っていった。

だが・・・渡海屋銀平とは実は合戦で討死したといわれる平知盛(たいらのとももり)。その娘のお安というのも実は入水したはずの安徳天皇、女房のお柳は実は安徳帝の乳母典侍の局(すけのつぼね)だった。

銀平こと知盛は安徳帝を掲げ平家の再興を目論む。
まず手始めに自分の元へやってきた義経への復讐を狙っていた。実は先程の相模五郎も知盛の家来の一人で、義経一行を信用させるためにわざと仕組んだ芝居だった。

・・・・・。

(お柳):そろそろ出発ですよ。

謡(うたい)が入り、障子ががらりと開く。
白い狩衣に銀の鎧、銀の兜で登場する銀平。
腕にはキレイな衣装に身を包んだ安徳天皇。

座敷に敷き皮をしいて座る安徳天皇。 
戦はじめの杯ごとをして、謡に合わせて知盛がひとさし舞う。

(安徳帝):知盛、早う。
(知盛):ハハ。
飛ぶがごとくに知盛退場。

・・・・・。

舞台は替わり・・・「大物浦の場」。

女房たちも安徳帝を抱いた典侍の局も、十二単(じゅうにひとえ)で座敷に並ぶ。
皆で戦の行方を案じている。

戦況の報告にやって来たのは、相模五郎。

周到に準備した上での不意打ちだった筈が・・・。
でもその企みにいつの間にか気付いていた義経。
夜闇に紛れて義経の舟を襲ったはずが、義経の戦準備は万端整っていた。
つまり・・・劣勢だ。

驚く女房たち。慌てて障子を押し開けて海を見る。船が沢山並び、たいまつも見える。

味方の舟のたいまつが一斉に消えたら負けの合図。その時は・・・お覚悟召され。
出陣前の知盛の言葉だ。

女房たちが見守る前で、たいまつが消える。驚き騒ぐ女房たち。

そこへ新たな御注進が。
もういけません。味方は壊滅。知盛さまは海に飛び込みました。みなさまもお覚悟を。

頼りの知盛は、もう居ない。
知盛がいればいつかは帝を盛り立てる日も来るかと思い、何とか帝を守ってきた一行。今となってはお覚悟を、と帝を連れて浜辺に出る。

事情のわからぬ安徳帝に・・・。
この地上は源氏がはびこる恐ろしい場所だから居られない。
海の底には極楽浄土があり、父上も母上も死んだ平家のみんなもいる。そこに行くのだ。
と、悲しい説明を。
海の底に一人で行くのは怖いと言う安徳帝だが・・・。

(安徳帝):あの恐ろしい浪の下へただひとり行くのかや。
(典待局):この乳母がいずくまでもお供致しまするわいなあ。
(安徳帝):そなたさえ行きゃるなら、いずくへなりとも行くわいのう。

典侍の局が一緒に行くと聞いて安心する・・・。切ない(>_<)

遠くに聞く戦の音。

もう・・・ダメだ。
先に行って道案内いたしますと、次々海に飛び込む女房たち。

そして・・・。
安徳帝を抱いた典侍の局。

・・・・・。

いざ・・・飛び込もうとしたところに沢山の武者が現れる。
彼ら義経四天王が典侍の局を抱き留め、安徳帝共々無事保護する。

・・・・・。

後ろに大岩のある浜辺。

花道から出てきた白装束で血まみれの知盛が雑兵相手に暴れる。
己の命に未練はないが、帝が心配で戻ってきたのだ。
戦いながら帝を探すが、力尽きて倒れ込む。

義経登場。
典侍の局と安徳帝も一緒だ。

義経を見た知盛は息を吹き返し、勝負勝負と詰め寄るが・・・。

義経は言う。
帝を守り続けた心は立派だが、もう諦めろ。
帝は自分が確実に守るから安心するがいい。

だが、知盛は納得しない。
帝を守るのは平家も源氏も関係ない。当然のことだ。
とにかく平家一門の恨みを晴らしてやると斬りかかる。

それを弁慶が押しとどめる。この段の弁慶はお坊さんの風情で、なんだか弱そうだ。
腕ずくで止めるのは無理そうだから、数珠を首にかけて諭すけれど知盛は逆に怒り狂う。源平の争いはそんな簡単なものではないのだ。

ここで・・・。

(安徳帝):これまで自分を守り、面倒見てくれたは知盛の情け、今自分を助けるは義経の情け。どちらも自分にとってありがたい大切な存在だから、義経を恨みに思うな知盛。

なんと(>_<)

典侍の局も言葉を添えて、平家方の自分が側にいては・・・と、義経に後を託して自害する。

典侍の局の帝を思う心に、戦う気力も失う知盛。
自分の命はもう尽きるが、死んだと見せてこれまで二年も生きてきたのは立つ瀬がない。「義経を襲ったのは知盛の亡霊だ」と人には言ってくれまいかと義経に頼む。

(知盛):昨日の敵は今日の味方、アラうれしや心地よやな。
(安徳帝):知盛さらば。
(知盛):ハハ

今はもう恨みも消えた知盛。
帝を義経に託すと自分は大岩に登り、そこにある大きい錨の綱を体に巻きつけ・・・。

(知盛):おさらば、
(義経):さらば。

うずまく浪に大物の名は引汐にゆられ流れて、名は引汐にゆられ流れて、跡白浪とぞなりにける

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