義経腰越状 ~五斗三番叟~

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義経腰越状 ~五斗三番叟~
(よしつねこしごえじょう ごとさんばそう)

主な登場人物
■五斗兵衛盛次
・名軍師。無類の酒好き。
■九郎判官義経
・言わずと知れた義経様。
■亀井六郎
・義経様の忠臣。
■伊達次郎
・悪い家臣。錦戸太郎は兄弟。
■錦戸太郎
・悪い家臣。伊達次郎は兄弟。
■泉三郎忠衡
・忠臣。五斗兵衛を呼んでくる。

成立事情
タイトルは「義経~」だが、実は豊臣の大阪落城を扱った作品。江戸の初演時には家康公暗殺をにおわす場面があると上演禁止や改作を重ねて現在の形に。主人公の五斗兵衛(ごとべえ)は、反徳川のヒーロー後藤又兵衛。五斗(90リットル)の酒をペロリと飲み干すという五斗兵衛の「滝飲み」や、酔いながら踊る三番叟を楽しく見せる。

あらすじ
伊達次郎と錦戸三郎の兄弟は、義経の悪い家臣だ。
この二人が義経に酒や遊びをガンガン勧めるもんだから、義経は戦を忘れ自堕落な日々を送っている。
そんな九郎判官義経様を、見かねた亀井六郎が諌めようとする場面から始まる。亀井六郎は良い家臣ネ(^_^)v

遊び呆ける義経を諌めようとする亀井六郎は、踊りに紛れて近づこうとする。
六郎を追い返そうとする家来たちとの立ち回りが見どころ。
六郎は義経に「お前様はなぁ・・・!」と意見するけれど、聞く耳持たぬ義経は、怒って退場してしまう。

忠臣の泉三郎が六郎を諭す。
「踊り」を「戦」に例え「自分もいい軍師を呼んだり色々と考えてるから、あまり案ずるな」と。
一応納得して退場する亀井六郎。

ここで五斗兵衛登場。
その泉三郎忠衡が義経に引き合わせるべく呼んできたのが、五斗兵衛だ。
自ら攻め入るつもりはない義経だが、頼朝の方はヤル気だ。有能な軍師が居るに越したことはない。

ここで悪人兄弟の企み。この五斗兵衛に失敗をさせて、義経を怒らせよう。そうすれば、泉の立場は悪くなる筈。うるさいコイツがいなくなれば、義経を思うように操れるゼ。

大酒のみで酒癖が悪いという五斗兵衛だから、酒を飲ませてつぶしてしまえば楽勝だ・・・と。

この二人にとって、五斗兵衛は兎に角ジャマだから、全力で酒を勧める。
五斗兵衛は大の酒好き。おまけに酒癖が悪い。で、今は禁酒中なのだが・・・。

はじめ断る五斗兵衛だが、元々大の酒好きだ。兄弟に巧妙に勧められて五斗兵衛が酒を飲むこのシーンも一つの見どころだ。

酔いつぶれる五斗兵衛。

義経が出てきて兵法について質問するが、完全に出来上がっている五斗兵衛は「そんものはとんと知らん」と答えるもんだから、義経は怒ってまた退場してしまう。

上手くいったと喜ぶ錦戸、伊達兄弟。
(そして、退場。)

無念の泉。
座敷を去り際にカチンと刀の音をたてる。
泥酔しているはずの五斗兵衛なのだが・・・。

五斗兵衛の泥酔は「フリ」なのね・・・と確信する泉。
(どうしたものか。思案しつつ退場。)

錦戸、伊達兄弟の指図で奴さん達が大勢やってくる。五斗兵衛をからかって叩き出そうと。それをあしらいながら、刀の目貫の説明やなんかをする五斗兵衛。
ちょっとわかりづらいんだけれど( 一一)

ラスト。
義経に会うので着ていた裃を脱いだ五斗兵衛が、それをうまく折って烏帽子のように頭にかぶり、三番叟のようないでたちで、組み伏せた奴さんたちを馬のようにしてその上に乗り退場。  (了)

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